漫画の不変と進化を娘の漫画デビューで知る

漫画っていつから読みだしたっけ?

と、ふと自分の子供時代を振り返ると姉がいたこともあり、絵本から漫画本へは割と自然と手を広げてったと思う。

娘、本は嫌いでなく毎週嬉しそうに学校の図書室から借りてくるし、図書館へ行けば本をとっかえひっかえ見てる。

敢えて教えるものでもないのだろうけど、絶賛終活中の実家の母親から「もうあんたがいらんなら、捨てるか売るかする」と脅されて実家から持ってきたドラゴンボール全巻を運び入れていた私の背中に娘はこう言いました。

「それ何?」

間髪いれず「日本漫画界の金字塔、国民的世界的漫画本です。」と返した私。

「見たい!」ようこそ、鳥山ワールドへ。めくるめく漫画本の世界。

ドラゴンボール全巻が入ったミカンの段ボール箱を開け、

画力、これは本当すごいよ、まだわかんないだろうし、漫画デビューが鳥山明先生の漫画というのは逆にかわいそうなくらい、と熱弁をふるおうとする母の手から第1巻をもぎりとり、深々と読みだした。

自分が買いそろえ、読み倒した漫画を娘が読むというホクッとする喜びは、シンプルだけど結構いろんな条件がそろっていないと叶えられないことなのではないかと気づくのです。終活の一環で許可なく断捨離してしまわず、一声かけてくれた実家母に感謝。

受け継がれる名作、つむぐ家族の・・・なんてことを思っていたら

「あははははぁ!! おっぱいだぁ!」と息子。

ぴたりと娘にひっついて覗き見る5歳児息子のドツボは、いわずもがな、ブルマと亀仙人のシーン。

滑り出しから茶化す奴登場で、娘もケラケラ笑いながら先飛ばしでおもろいシーンを探し出すという、ま、そうなるかやっぱりという展開。

がしかし!いつか気づく時が来る。そして食い入るように見るときがくるよ。

そんなこんなでストーリーうんぬんではなく絵やキャラでまず楽しみだしたドラゴンボールをある日外出先に持っていきたいと娘が言いだした。

親の仕事や用事につき合わせる時は、本やぬり絵など時間がつぶせるものを持っていくのだが、今回の外出には嬉々としてドラゴンボールを持参したいと。

勧めといてなんだが、私にとって小学校のころに買いあさった単行本はプレミア感強めのため、丁寧にお断りし、ドラゴンボールはお留守番。

その代わりに本屋に立ち寄り、娘人生初のコミック本を買うことに!

選んだのは「ドラえもん」

すると大喜びなわけ。

40~50話くらいたーっぷり詰め込まれたドラえもんのコミック本をそれは読む読む!!読みやすさ、1話完結の絶妙なストーリー。さすが日本漫画の大御所!不二子・F・不二雄先生!!

昔から面白いと読み継がれているものはやはり変わらず輝いており、世代が変わっても不変。

その日から、そのドラえもん本を娘がベッドに抱えていき、ふとんの上をあっちへこっちへ転がり回るのが忙しい息子をしり目に、就寝前に1話読んで寝るが日課に。

暇さえあれば何度も何度も繰り返し読んでおります。

気づけば、その一冊で半年は乗り切っている娘。

飽きないねーと言うと、飽きないよーとにこーっと笑い、

他の買ってーとも言わず、文字通り穴が開くように読みぬいている娘に、

大型連休前のタイミングで思わずこちらから声を掛けてしまった。

「ドラえもんのコミック、新しいの出てるから買う?」

えええええええええええ!!いいのぉお!!!!!!!!

いいですともいいですとも、大事によく読んでるなー!よーし!パパが買ってやろ!っと、突然パパ登場。100%娘が喜ぶことには腰が軽い。

なんやかんやで本屋へ行き、新作ドラえもんを手に取ろうとすると、ふと娘の手が止まる。

そう、前まではなんのこっちゃ分からず、見向きもしてなかったコミックの陳列の棚には他に、「クレヨンしんちゃん」もあらば、「コロコロコミック」もある。

ちーと大人な「ちゃお」や「りぼん」も。二頭身のネコ型ロボット以外にも世界が広がり、どれにしよーかなぁーと楽しそうに娘は選び出した。

私も今の「ちゃお」や「りぼん」ってどんな漫画が載ってるんだろう、おーさすが顔半分がきらきらお目目だねーって一緒にパラパラとめくってる横でパパは「これは?これなんかどう?」といろいろ娘へご提案中。

と!次は私の手が止まる。

今時の、令和の「ちょお」ときたら!!

壁ドン、バックハグ、BLまがい、、、、

おーーーい!!!つつつつっこみどころ満載!小学校のころからこの内容!?

はやいはやいはやい早い早い!二頭身の青いロボットとか、かめはめ波とかしか知らないのに・・・

パパの耳元でささやく。

「ちゃお、壁ドンシーンあります」

パパが止まる。

「男の子どおしの絡みっぽいものもあります」

パパ、キャパオーバー。

パパ、むんずと掴んで娘に勧めたのはもちろん

「パパは、ドラえもんがいいと思うよ」

はい、ドラえもん。どうかこれにしてくれという哀願するような眼をしていたのは言うまでもない。