白セーター、それはネクストステージ

肩並べてると思っていたら、相手が数段上のステージにいて神々しく思うことがある。

肩組んでお互いの労をねぎらっていると思っていたら、もうねぎらう労を昇華させちゃってたという。

盆と正月に実家に帰省すると、学生や独身の頃は、地元に残った者、同じく帰省ししてきた者でよくワイワイ呑むんだけど、

女性は結婚と出産のタイミングで一時参加できないときもあったりしますでしょ。

そろそろ産まれるから(里帰り出産)、産んだばっかだから、ここぞとばかり子供預けていこうと思ったら子供が突然熱出すとか、この前じいちゃん死んだから法事あるとか、行けそうと思ったら2人目妊娠したとか、あれ?送られてくる写真ばっか眺めてるって時期ある。

自分は行けても他の子が上記然りなら、集まりたいメンバーがガチッと集まれるなんてここ10年くらいなかったんですよ。

それがこの前の正月休みに、10年ぶりくらいに集結できた我ら幼馴染の5名。

もう楽しくてねー

子供の食事を取り分けなくていい!

子供用のお皿ください!とか言わなくていい!

さあ食べれるって時に「おしっこー」って言われない!

熱々の鉄板ではもちろんない鉄板メニュー(うどん、フライドポテト等)から解放される!

なにより5人揃ってる!

5人ともママになり、実家の親に思う存分子供を預け、下手すりゃ子供寝てから駆けつけた者もいたり、子供が疲れて早く寝るように長めに風呂につけてきたと言う者など、出せる手数の全てを駆使して集まったアベンジャーズと化した我ら。

家を出るまでの段取りと子供の機嫌とりと言ったら、バレー部だった頃に先輩の機嫌取ってたのと張るね。とか話しながら掘りごたつに腰下ろす時の幸せさよ。

いつもは遠い県外で奮闘する我が身と同胞の労をここぞとばかりねぎらった。

1人は地元に残っている子で、だから親に色々手伝ってもらっているかって言うとそうもいかず、近所の義実家の監視もあるからあんまり実家に行けないと。車で5分の距離が遠いと。

おおおおーー!!それは辛いな!近くて会いに帰れないとはー呑め呑め!と他4人も同調。同調、共感しかない時間。

で、ふと気付く訳です。

男の子2人のママであり、理学療法士としてバリバリ仕事をしている友達の服が、真っ白なセーター。

お気づきだと思うが、白というのは子育て中に封印される色。

よだれ、涙、土、米、鼻血、有りとあらゆるものを子からつけられるし、なりふり変わっていられないときはまず避ける白!

独身女性の特権と思っていた白セーターを「さっき公園で土掘ってたら冬眠中の蛇見つけて子供と逃げ回った」って話してる彼女が着ている。確か、男の子2人のママ。

すげー。白セーター着てるやん。まず私は無理や。抱っこしたら一発で汚れる。

と言った私に白セーターが言ったのだ。

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漂白剤につけるから。いっぺんに。全部。

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もう、なんか超越してた。

ドタバタの生活を送る彼女の姿が一瞬で頭を駆け巡った。

みんなが寝静まった後、静かに漂白剤にセーターを沈める彼女の姿。

汚される?いやいや。汚されるもんでしょ、と。

ガスト帰りに自分は食べてないミートスパのソースがセーターについたけど、あーいま抱っこしてる息子が頼んだお子様セットに乗ってたなー。で、口についてたなー息子の。で、抱っこしたの自分。

うん、今晩、漂白すればいいんだ。

余裕の白でも、純粋の白でもなく、ひらけた境地の清白。

これ漂白剤のCMに使ったら泣きながらママたちは買いに行くのでわ。

私まだまだ甘かったーーー!あんたはすごい!と泣き笑い、目からウロコ情報に感嘆しつつ、

ネクストステージで立った白セーターに追加の男梅サワー頼んだ。